令和5年10月1日から、ふるさと納税制度が変わるって聞いたけど、何がどう変わって、私たちにはどんな影響があるのかしら...
令和5年6月27日に総務省から自治体に向けて、ふるさと納税制度のルールが一部変わることについて、通知されました。
ちまたでは「超改悪」とまで言われていますが、具体的にどう変わるのか、私たちへの影響はどのくらいあるのか、正しく理解をしておく必要があります。
令和5年もふるさと納税をして、お得に節税対策をするぞ!という方は、ぜひ最後まで読んでいただけたら嬉しいです。
なぜふるさと納税制度は改悪されるのか!?
まずは、なぜふるさと納税制度が改悪されることとなったのか、理由から見ていきましょう!
ふるさと納税最大の魅力といえば、「寄付額の30%相当に値する返礼品」を思い浮かべる方は少なくないと思います。
寄付金を受け取る自治体側も、他より少しでも多くの寄付を集めるために返礼品の試行錯誤を重ねており、より魅力ある返礼品を提供するための自治体間の競争は年々激しさを増しています。
そんな激しさを増す返礼品競争に歯止めをかけるため、総務省はふるさと納税の必要経費を寄付額の5割以下とする基準を厳格化し、令和5年10月1日からこれまで対象外としていた寄付の受領書の発送費用なども必要経費に含めるよう自治体に向けて通知しました。
つまりは、必要経費の対象範囲が拡大されたということ。そして、拡大された部分の必要経費を新たに補わなければならなくなったということです。
次からもう少し詳しく見ていきましょう。
具体的に何がどう変わるの???
これまでは「募集に要する費用」を寄付額の5割以下に収めるルール
上でも説明したように、令和5年10月1日から、ふるさと納税の必要経費の対象範囲が拡大されることとなりました。
これをもう少し具体的に説明すると、これまでふるさと納税の必要経費は、「募集に要する費用」が、寄付額の5割以下であればいいという決まりでした。
例)1万円の寄付なら、5千円までが募集に要する費用であればOK
「募集に要する費用」が寄付額の5割以下に収まっているかどうかは、毎年自治体から総務省に報告する、ふるさと納税の調査票によって分かります。
5割を超えてしまうようなことがあれば、自治体はふるさと納税のルールを守れなかったこととなるので、ふるさと納税の対象自治体から外されてしまう可能性もあります。
「募集に要する費用」の重要性が分かりますね。
この「募集に要する費用」は、主に「返礼品の価格」や「自治体が業者に業務委託する際の費用」等が含まれます。
しかし以下に掲げる費用は、これまで「募集に要する費用」には該当しない費用とされていました。
- 寄附金に係る受領証の発行事務に係る費用
- ワンストップ特例に係る申請書の受付事務に係る費用
- ふるさと納税以外の業務も兼任している職員に係る人件費
ところが今回の改悪では、この上記費用を必要経費に含めて、寄付額の5割以下に収めなければいけなくなったのです。
これは簡単に言うと、ふるさと納税に係る全ての費用を必要経費として、寄付額の5割以下に収めなければいけなくなったということです。
では、この変更によりふるさと納税の寄付者にはどのような影響が出るのでしょうか。
次で詳しく見ていきましょう。
必要経費が増えることで返礼品の返戻率が下がる!?
先程の説明から、必要経費は寄付額の5割以下に収めなければいけなくなったこと、必要経費の対象範囲が従来よりも拡大されたこと、はご理解いただけたと思います。
では、そうなったことでふるさと納税の寄付者にはどのような影響が出るのでしょうか。
結論から申し上げると、返礼品の返戻率が下がる可能性が非常に高いです。
そもそも必要経費の5割のうち、返礼品の占める割合は3割、その他経費(業務委託料等)の占める割合は2割です。
その他経費は、事業者への業務委託料がほとんどを占めることとなりますが、今回の改悪では業務量自体は何も変わりません。
業務量が変わらないのであれば、業務委託料も減ることは無いので、その他経費は2割から減ることはありません。むしろ必要経費の対象範囲が拡大されたことで2割より増える可能性が高いです。
では、必要経費が増えた分はどこで補うこととなるのか、それこそ返礼率が下がる理由です。
より具体的に説明すると、ふるさと納税を提供する自治体は、今後次のような取り組みを行うことが考えられます。
- 寄付額を据え置きにして返礼品の内容量を減らす(例えば、1万円の寄付でりんご5㎏をお返ししていたところを、1万円で4㎏にする等)
- 寄付額を増やして返礼品の内容は据え置きにする(例えば、1万円の寄付でりんご5㎏をお返ししていたところを、1万5千円で5㎏にする等)
いずれにしても、返礼品の返戻率が下がることは明確なので、これまで以上にふるさと納税によるお得さが減少してしまうことが分かります。
まとめ
令和5年10月1日からのふるさと納税制度について説明しましたが、いかがでしたか?
10月1日から、各ふるさと納税ポータルサイトでは、実質的な値上げがほぼ確実です。
もし今年の年収がおおよそ予想できる場合には、改悪前の9月30日までにふるさと納税を済ませてしまうことをオススメします。
今回の改悪について正しく理解をして、みんなでお得に節税対策をしましょう!!!
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